タイトルの通り、競馬は人気薄の好走に注目すると本質に近づくと、筆者である血統マニアの独り言は考えています。
すでに多くの競馬予想家さんたちなども似たような提唱をされていますが、今回はこの仕組みについて解説していきます。
競馬の本質に近づく、とは?
まず始めに、本質に近づくとは何か、について触れていきます。
大前提として、競走馬は常に一定の能力で走る訳ではありません。
なぜ、競馬は当たらないのか。の記事でも触れたように、競走馬は、自身のコンディション、出走メンバー、枠順、天候、馬場状態、展開、競馬場等々の変動によって、常にそのパフォーマンスにも上下幅があります。
これは人間と同じように、競走馬にも得意、不得意がある、といった表現が最も簡潔かもしれません。
人気馬が期待を裏切るケース、あるいは人気薄が世間の評価以上の激走を見せるケース等々は、概ねで上記で挙げた様々な作用が働くためと言っても過言ではありません。
つまり、競馬で馬券を的中(特に高配当を的中)させるためには、今そのシチュエーションで、どんな能力が要求されているのか、どんな才能が有利になるのか、等々を考える必要があると言えます。
また、その思考こそが、競馬の本質に近づくとは何かの答えであり、競馬予想を行う上での最大の醍醐味とも言えるでしょうか。
競馬は人気薄の好走に注目すると本質に近づく
そして、競馬は人気薄の好走に注目すると、よりその本質に近づくことが可能になります。
極端に言えば、過去のレース結果は人気薄の好走馬だけを見るだけでも十分に本質に近づくことができます。
ではなぜ、人気馬の好走を重視する必要性がないのか、この辺りから触れていきます。
当然のことながら、競馬で上位人気に推される馬は、近走で好走している馬が大半を占めます。
全馬がデビュー戦となる新馬戦やその他一部のレースで例外的なレースもありますが、基本的には近走好調馬、もしくは実績のある馬が人気になりやすいのは至極当然の事実と言えるでしょう。
実際に馬名を挙げるのであれば、ディープインパクト、オルフェーヴル、アーモンドアイといった歴史的な名馬も、この類の競走馬。
これらの名馬は、その圧倒的なパフォーマンスを示し続けたことで、競走馬としてのポテンシャルの高さを多くの人が認識したからこそ、上位人気に支持され続けました。
但し、これらの競走馬は、あくまでも例外中の例外と言える日本競馬史に語り継がれる名馬。
このクラスの競走馬は、多少の苦手条件だったとしても、圧倒的なポテンシャルの高さでその全てを補ってしまうため、今そのレースで問われているであろう適性、才能の方向性を見定めるという意味では、参考にならないケースも少なくありません。
また、この現象は普段のレースにも応用が利きます。
先にも述べたように、競馬で上位人気に支持される馬は、すでにその条件で実績を残している馬や、近走で高いパフォーマンスを見せていた馬が大半を占めます。
それらの競走馬は、出走馬の中で比較した場合、そもそもの基礎能力が高い馬も多いため、多少の苦手条件でもこなしてしまうケースも少なくありません。
一方で、人気薄の好走は、これらの馬とは全くもってその意味合いにも違いがあります。
根本的に、1つのレースで上位人気に支持されない馬は、近走で好走していない馬、実績のない馬が大半を占めます。
これらの競走馬は、基礎能力の低い馬が大半を占めるため、何らかの条件に恵まれない限りは上位に好走することもありません。
裏を返せば、人気薄の好走が多発する開催では、何らかの才能に長けた馬が恵まれる条件が揃っている可能性が高いことが推測できます。
分かりやすいところで言えば、開幕週の芝レースで内枠の人気薄ばかりが走る場合や、不良馬場の芝レースで外枠の人気薄ばかりが走る場合などは、まさにそれにあたるものです。
当然のことながら、同じようなシチュエーションでは、同じような個性を持った馬が走りやすくもなります。
従って、その開催の芝、ダート(特に同一距離)で、どんなタイプの人気薄が好走しているのか、を見ることによって、そのシチュエーションで問われている能力の方向性、その本質に近づくことが可能となる訳です。
より実戦的なところで言えば、スピード指向の強い馬場とスタミナ指向の強い馬場なども、時計の知識がない方でも簡単に見分けることが可能です。
全てがその限りではないものの、スピード指向の強い馬場では、近走で当該距離よりも短い距離のレースに使われている馬(1600mのレースなら近走1400m以下出走馬など)や、近走で先行策を取っている馬などが恵まれやすくなります。
スタミナ指向の強い馬場では、近走で当該距離よりも長い距離のレースに使われている馬、近走の上がり順位が上位の馬などが恵まれやすくなります。
※上がり順位とは…1つのレースにおけるラスト3Fのタイム順位のこと、今の時代は競馬新聞や大手競馬サイトなどにも掲載されています
もちろん、ここに血統的な裏付けを加えることで、その本質に近づく精度は上がります。
芝1600m戦の高速馬場であれば、スプリントG1血統馬や米国血統馬、スタミナ指向の強い馬場であれば、サンデーサイレンス系の中でも長距離指向の強い血統馬、あるいは欧州血統馬等々。
なぜ、競馬は当たらないのか。の記事で解説したように、血統は料理で言うところの、競馬予想にコクや深みをもたらすような重要なスパイスです。
その難易度は上がりますが、興味のある方はぜひチャレンジして頂ければと思います。(※もちろん当ブログでも血統的な攻略術を随時公開していきます)
最後に、人気薄の定義について
血統マニアの独り言は、人気薄の定義を基本的には4番人気以下と定めていますが、極論を言ってしまえばその辺りの定義も個人の自由です。
例えば中山ダ1800mでサンプル数が10レースあり、4番人気以下の好走が10頭、10番人気以下の好走が5頭あった場合は、当然のことながら10番人気以下の好走馬を重視すべきです。
一方で、東京芝1600mでサンプル数が3レースのみ、4番人気以下の好走が3頭しかなかった場合はその3頭を重視すべきです。
最初のうちは、自身が購入するレースの1つ前のレース結果を見るだけでも構いません。
ご自身にあったスタイルで、競馬の本質を見抜いて頂ければ幸いです。